注文住宅が建つまでの流れとは|気になる住宅ローンもご紹介

「マイホーム」という言葉には夢がありますが、マイホームと一言で言っても注文住宅や建売住宅、分譲マンションなどさまざまな選択肢があります。中でもこだわりを詰め込むことができる注文住宅は人気です。そんな注文住宅が建つまでの流れや、気になる住宅ローンについてたっぷりご紹介します。

 

◼ 注文住宅を建てる流れ

白い外壁の家

既に建物が出来上がった状態で売られている建売住宅とは違って、注文住宅は打ち合わせをしながら一から家を作り上げていきます。こだわりを詰め込むことができる一方で、完成までの工程が長く大変に思うこともあるかもしれません。その分、完成したときの喜びや、入居のワクワク感、住み始めてからの豊かさはひとしおです。まずは注文住宅が建つまでの流れを知っておきましょう。

 

・新しい生活のイメージ

注文住宅を検討している場合は、まず新しい生活をイメージすることから始まります。どのような生活をしたいのか、譲れない条件は何なのか、住みたいエリアはどこなのか、などを想像してみましょう。例えば「これまで都会でせかせかと働いてきたけど、田舎でゆっくりと暮らしたい」、「公共交通機関の便が良いところに住みたい」、「老後のことを考えると平屋がいいな」といった内容です。

 

漠然としたイメージがついたら、立地や教育環境、福祉の充実度、家の性能やデザインなどで条件を絞っていくと良いでしょう。「スーパーやドラッグストアが近くにほしい」、「輸入住宅に住んでみたい」、「○○駅の近くの雰囲気が好き」など、家族それぞれが条件をあげていき、すり合わせていくことでイメージが固まっていきます。

 

・資金計画

注文住宅はこだわりを詰め込めるのが魅力ですが、貯蓄額や返ローンの返済能力を考慮した上でしっかりとした資金計画を立てる必要があります。家を建てる場合は、土地代と建物代が必要です。土地代はエリアによって相場が異なるため、家の中をこだわるか立地を優先するかを選ばなければならない場合もあるかもしれません。

 

他にも電気やガスといった工事、調査費、引っ越し、家具などにもお金が必要であることを忘れてはなりません。いずれも引き渡しまでに支払わなければならないため、資金計画は非常に重要です。

 

・土地探し

利便性やエリアの雰囲気などによって住みたい場所が決まったら、土地を探す段階へと進みます。土地探しは、一般的に不動産会社に相談して、予算や要望を伝えて探してもらうことになります。家の性能やデザインの打ち合わせに時間がかかることはもちろんですが、土地探しは予想以上に時間がかかることが多い工程です。

 

理想通りの土地に出会うのが難しいため、ある程度の期限を決めることをおすすめします。期限を決めたら、条件に優先順位を付けて譲れない条件以外は妥協していきましょう。また購入した土地いっぱいに建物を建てられるわけではないため、イメージしている建物がその土地に建てられるかどうかも確認する必要があります。

 

・施工業者選び

奥行きのある玄関

建てたい家のイメージや資金計画、住みたい場所が決まったら施工業者を選びます。注文住宅を依頼できる業者は、ハウスメーカーや工務店、設計事務所の中から選ぶのが一般的です。それぞれの特徴、メリットとデメリットを踏まえた上で、展示場や施工事例を見ながら依頼する業者を選んでいきましょう。

 

ハウスメーカーは大手なので安心感があり、効率良く短い工期で進めてくれるというメリットがあります。一方でデザインや間取りが規格化されているため、完全に自由な設計で作ることができません。一生に一度の大きな買い物なので安心感が欲しいという人におすすめです。

 

工務店は地域に密着している場合が多く、お客様と業者との距離が近いのが特徴です。下請け業者がないため、費用を比較的安く抑えることができます。小さな工務店の場合、万が一会社が潰れてしまった場合にアフターサービスを受けられなくなるというデメリットは頭に入れておく必要があります。その土地に合った家を建てたい人におすすめです。

 

設計事務所は、建築家が設計を行って施工は請負工務店が行います。デザインの自由度が高く、狭小住宅など他の業者には依頼できないような土地でも対応してくれることがあります。設計料が必要であることや、設計に時間がかかることはデメリットだといえます。大まかなデザインや性能だけではなく、細かいところまでこだわりたい人におすすめです。

 

・土地の購入

希望する土地と施工業者が決まったら、業者に依頼して敷地調査や地盤調査を行います。敷地調査とは、土地の形状や広さ、高低差などを計測し、イメージしている家が建てられるかどうかの調査、地盤調査とは家の建築に必要な地盤の性質があるかどうかの調査のことをいいます。

 

調査を行った上で最終的に土地を決めたら、宅地建物取引主任者が土地に関する内容を口頭で読み上げる「重要事項説明」を受けます。内容に間違いがないかどうか、気になる点はないかどうかを確認した上で、問題がなければ土地代の約10%の手付金を支払って契約となります。

 

・建物のプランニング

初めにイメージした家の条件や雰囲気などを施工業者に伝えてプランニングを進めていきます。漠然としたイメージから細かい条件まで、家族全員の希望を書き出しておくようにしましょう。例えば「吹き抜けがほしい」、「キッチンは広い方が良い」、「水回りは一ヶ所にまとめたい」、「子供部屋は将来仕切って2部屋にしたい」など。

 

具体的なイメージがしにくい場合は、まず家族構成や年齢から間取りを考えると良いでしょう。現在子供が小さい場合は、将来子供が独立したときのことまで考えておくとより良いです。リビングやダイニングの広さはもちろん、和室や書斎といった部屋が必要かどうか、子供部屋の使い道、などを考えてみると想像しやすいかもしれません。

 

水回りは内装だけではなく設備のメーカーやグレード選び、家具は既製品とオーダーメイドのどちらにするのか、断熱性能や耐震構造なども決める必要があります。壁や床などの素材選びに際して、ナチュラル、モダン、シンプル、シック、などどのような雰囲気にしたいかも決めましょう。

 

・契約

広いリビング

家のプランが決まったら、いよいよ施工業者との契約です。工事請負契約書、工事請負契約締結書、見積書、設計図書の4つの書類をチェックする必要があります。着工の前に、建物のプランが法律に適合しているかどうかの審査を受け、建築確認済証の交付を受けると工事に取り掛かることができます。

 

・施工

契約が済んだら完成を待つだけではなく、施工の間にもやるべきことがあります。まず工事の日程が決まったら、始まる前に近所の方への挨拶を行うことを忘れないようにしましょう。お菓子やタオルといった手土産を持参した上で、施工業者にも一緒に来てもらい日程などの説明をします。

 

工事が始まるまでには他にも地縄張りと地鎮祭を行うのが一般的です。地縄張りとは建物を建てる位置を確認するためにビニール紐を張ること、地鎮祭は工事が安全に進むことを祈願する儀式のことをいいます。柱や棟、梁などが完成した状態を棟上げといい、棟上げまで終わった段階で上棟式という儀式を行う場合もあります。工事が一区切りつく時期となるので、無事に進んでいることへの感謝と最後まで安全であることを祈願する儀式です。地鎮祭は神主を呼んで儀式を進めてもらいますが、上棟式は棟梁に進めてもらいます。

 

工事中は現場に足を運んで様子を見に行くのもおすすめです。完成するまでの様子を知らないよりも、過程を目にすることで家への愛着も増すことでしょう。建てる側と依頼した側がコミュニケーションを取ることで、より良い家づくりになります。

 

・引き渡し

工事が終わって家が完成すると、施工業者や工事の責任者と一緒に最終確認を行います。汚れや傷がないかどうか、建具に不具合はないかどうかなどしっかり確認するようにしましょう。もし修理してほしい箇所があれば、いつまでに修理してもらうのかを明確にしておくことをおすすめします。

 

行政庁や第三者機関による検査に合格すれば手続きが完了となります。鍵や保証書を受け取ったらいよいよ引き渡しです。新しい生活にわくわくすることと思いますが、定期点検や保証期間などを確認することも忘れないようにしましょう。

 

◼ 住宅ローンについて

広いリビング

 

こだわりのマイホームの計画が進むと同時に、住宅ローンについても考えていく必要があります。住宅ローンにはいくつかの種類があるため、それぞれの特徴をご紹介します。

 

・フラット35

フラット35という言葉を耳にしたことがある人は多いかもしれませんが、返済期間が最長で35年ということから名前が付けられています。長期固定金利であり返済額が毎月一定というのが特徴です。金利が固定されているので景気に左右されない一方で、金利が下がったとしても低金利の恩恵を受けられないというデメリットもあります。

 

・民間ローン

銀行や信用金庫、JA、生命保険会社などが取り扱っている住宅ローンのことを民間ローンと総称します。金利や条件は金融機関によってさまざまですが、変動金利、固定金利期間選択型、固定金利型の三種類が主なタイプです。審査はフラット35よりも厳しいことが多いため、いくつかの金融機関に仮審査をしておくと借入可能額の目安を知ることができます。

 

・財形融資

財形融資とは、財形貯蓄を1年以上行っているなどの条件を満たしている場合に利用できるローンのことです。財形融資は企業による福利厚生の一種なので、所属している会社を通す必要があります。返済開始から完了までの期間において5年ごとに金利を見直す5年間固定金利制となっています。

 

◼ まとめ

ナチュラルなリビング

注文住宅を検討し始めると、どのような流れで家が完成するのかが気になる人も多いことでしょう。「マイホームがほしいな……」と漠然とした理想はあっても、具体的な条件を考えたことがない場合、どのような家に住みたいかというイメージを膨らませることから家づくりは始まります。

 

資金計画を立てたら土地探しや施工業者選びなど、やるべきことはたくさんあります。業者が決まったら建物のプランニングを行った上で契約、土地の購入、と段階が進み、いよいよ施工となります。納得のいく家づくりができるように、家族や業者とコミュニケーションをしっかり取りながら工程を進めていくようにしましょう。

 

ホームスタイリングでは、湘南・横浜を中心に注文住宅のプランをご提案しています。デザイン性はもちろん、入居後に快適に過ごせるような住まいの提供を心掛けています。

 

・ホームスタイリングの施工事例

バリのホテルをイメージした非日常的な家

白い壁と無垢材でプライバシーを確保

吹き抜けのある日当たりの良いリビング