費用を抑えたいとき、狭小住宅と中古住宅どっちを選ぶ?

マイホームは一生の憧れだという人も多いかもしれませんが、家を建てるためにはもちろん費用がかかってしまいます。費用が高くなってでも希望の条件で家を建てたいという人もいれば、費用面重視でできるだけ抑えたいという人もいることでしょう。後者の場合には、特に都心部では狭小住宅が選択肢に上がってくることもあるはず。他に費用を抑える方法としては中古住宅が考えられるため、狭小住宅と中古住宅を比較した上で費用を抑えるためにはどちらを選ぶ方が良いか、ということについてご紹介します。

 

◼ 狭小住宅とは

3階建ての家のリビング

家づくりを始めるにあたって狭小住宅が選択肢としてあがってきたときに、その定義が気になるという人もいるかもしれません。また家づくりを進める前に狭小住宅を選ぶことのメリットとデメリットも知っておきましょう。

 

・狭小住宅の定義

狭小住宅とは、敷地面積が15坪以下の住宅のことをいいます。都心部では土地代が高いため、できるだけ土地代を抑えるために狭小住宅が建てられることがよくあります。狭い土地に建てるため、狭小住宅にはさまざまな制約が生まれてしまうことも。土地が狭いことは承知の上で選んだとしても、住み始めてから後悔するようなことは避けたいですよね。また狭小住宅ならではの工夫をすることで、住み心地の良い快適な家にすることもできます。そのため狭小住宅のメリットとデメリットを事前に把握しておきましょう。

 

・メリット

狭小住宅とは文字通り狭い敷地に建っている家のことなので「わざわざ狭い家を建てなくても」と思う人もいるかもしれません。しかし狭小住宅には狭小住宅ならではのメリットがあるので、狭小住宅を検討している人はぜひ参考にしてみてください。

 

狭小住宅のメリットとして、都会でも家を持てるということがあげられます。土地代は地域によって大きく異なりますが、都心部では利便性の高いエリアや人気の沿線などでは高額になってしまいます。また都心部では既に建物が密集していることから、新しく土地を見つけることが難しいという特徴もあります。そのようなエリアであっても、狭い土地や珍しい形の土地であれば比較的安く手に入れられる場合もあります。都心部で働いていたり、都会での生活が好きな人にとって、狭かったとしても住みたいエリアに家を持つことができるのは大きなメリットだといえます。

 

次に維持費や税金を抑えられるというメリットも。家を持つと固定資産税や都市計画税といった税金を支払う必要があります。税金の金額は固定資産税評価額と税率を掛けることで決まるため、狭小住宅であれば毎年支払う税金を安く抑えることができます。また土地が狭いということは建物の外壁や屋根などの表面積も狭いということです。家には定期的なメンテナンスが必要ですが、建物が狭ければメンテナンスの費用も安く済みます。広い家と比べるとエアコンなどの光熱費が安いのも維持費を抑えられるのも理由の一つです。

 

・デメリット

狭小住宅のメリットをご紹介しましたが、もちろんデメリットもあります。それぞれを考慮した上で検討してみてください。一つ目のデメリットは建設費が割高だという点です。敷地が狭いという意味で土地代を抑えることはできますが、狭小地では坪単価が高くなってしまう傾向もあります。家を建てる工事を行う際に、足場や材料など大きなものを運ぶ必要がありますが、その際に大型トラックが家のそばまで入れず小型トラックや人力で何回も往復しなければならず、人件費などがかさむことがその理由です。

 

次に隣の家との距離が近い点。近くに家が密集しているようなエリアに家を建てる場合、他の家との距離が近いこともデメリットだといえます。ただ隣り合っているというだけではなく、窓を開けても隣の家の壁しか見えないといったことも都心部ではよくあることです。少なくとも家の2面、多ければ4面とも近い距離に他の家があることになるので、防音対策も重要です。自分が住んでいる家から音が漏れるのを防ぐ意味と、他の家からの音を遮断する意味があります。ご近所トラブルの原因になり兼ねないため、家のプランを建てる段階から対策を検討するようにしましょう。防音対策も建設費が高くなってしまうことの原因の一つでもあります。

 

◼ 中古住宅とは

狭小住宅のダイニング

家を建てるときに費用を抑えるために狭小住宅を選ぶこともありますが、中古住宅でも同じように費用を抑えることができます。せっかくマイホームを購入するのであれば新築が良いと考える人も多いかもしれませんが、新築住宅よりも費用を抑えられる中古住宅も検討してみても良いでしょう。

 

・中古住宅の定義

中古住宅とは、建てられてから2年以上が建った家か、これまでに誰かが住んだことのある家のことをいいます。新築住宅は建てられてから1年以内且つ誰も住んでいない家のことをいうため、新築住宅を魅力に感じる人も多いかもしれません。しかし中古住宅というだけで費用を抑えられるのであれば新築にこだわらないという人もいることでしょう。

 

・メリット

中古住宅を選ぶメリットは、何といってもやはり価格の安さ。築年数が経っているほど安くなっていることが多いですが、築浅でも新築住宅よりもかなり費用を抑えることができます。都心部に住みたい場合や希望するエリアがある場合、新築住宅は難しくても中古住宅であれば手が届くといったことも。

 

また新築の住宅で注文住宅を建てる場合は、引き渡しまでに家を実際に見ることができませんが、中古住宅では確認した上で購入を決断することができます。内装や外装、日当たり、風通しなど、住む前に知っておくと安心ですよね。間取りも分かっているため、住み始めてからの生活を想像しやすいのもメリット。

 

・デメリット

中古住宅のデメリットは、築年数が経っていると構造面や耐震性などに不安が残ることがあるという点。中古住宅が建てられた時期が1981年以前である場合、今の耐震基準とは異なる基準のもとで建てられています。安心して中古住宅を購入するためにも、築年数を事前に確認するようにしましょう。見た目で劣化が分かる部分はリフォームなどで改善することができますが、見た目では分からない部分で腐食が進んでいたりする場合、せっかく購入した家に長く住めないといった可能性も。そういった場合、購入費用を抑えられても維持費がかかってしまうことがあるため注意が必要です。

 

◼ 狭小住宅と中古住宅どっちが良い?

狭小住宅の玄関

マイホームを購入する際に費用を抑えたい場合、狭小住宅と中古住宅という選択肢があることをご紹介してきました。それぞれメリットとデメリットがありますが、狭小住宅がおすすめのケースと中古住宅がおすすめのケースをご紹介します。

 

・狭小住宅がおすすめのケース

狭小住宅がおすすめのケースは、やはり新築の住宅に住みたいという気持ちが強い場合。狭小住宅は土地こそ狭いですが、新築で建てる場合は要望を反映させることができます。間取りや住宅設備、外観などにこだわりがある場合には、中古住宅ではなく狭小住宅を建てることをおすすめします。

 

また家の広さにこだわりがなく、狭くても問題ないという場合。家が広いと掃除やメンテナンスが必要な箇所が多いですが、家が狭いと掃除やメンテナンスの箇所が少なくて済みます。家の中を移動する距離や時間も短いため、生活動線や家事動線をコンパクトにしたいという人にも狭小住宅はおすすめです。

 

・中古住宅がおすすめのケース

中古住宅がおすすめなのは、必ずしも家が新しくなくても良い場合。きれいさにこだわりがなかったり、人が住んだあとの家でも構わなかったりする人は中古住宅でも良いかもしれません。または家の間取りや設備にこだわりがない人や既存の間取りや設備に対応できる人、逆に注文住宅のようにさまざまなことを決めなければならないのが面倒だという人にもおすすめです。

 

◼ 横浜での建築事例

費用を抑えたい場合の狭小住宅についてさまざまな角度からご紹介してきました。横浜と湘南で注文住宅の設計を行っているホームスタイリングが、実際に狭小住宅を設計した事例もぜひ参考にしてみてください。

 

・狭小の家

狭小住宅の事例

敷地面積が限られているため、LDKを一列に配置してキッチンとダイニングが並列するような間取りにしています。吹き抜けで天井を高くしているため、明るく開放感たっぷりの空間になっています。家事動線にもこだわり、2階に水回りをまとめて洗濯機から洗濯物を干すまでの動線に工夫を凝らしました。

実際の建築事例はこちら

 

・2family + 2void

3階建ての家

敷地面積が15坪以下という狭小住宅の定義には当てはまりませんが、狭小住宅のように3階建てで設計した家の事例です。幹線道路から近く隣の家とも近いという条件のもとで、生活感を感じさせないような外観を心掛けました。吹き抜けを作ることで採光にも考慮し、外からの視線が気にならないような快適な空間を作りました。施主様のご要望にお応えして、内装はスタイリッシュに仕上げました。

実際の建築事例はこちら

 

◼ まとめ

片流れ屋根のビルトインガレージ

狭小住宅は、都心部のように土地を広く確保しづらいところでよく建てられています。土地代を抑えられるのが狭小住宅の一番の特徴ですが、費用面が気になる人は中古住宅も選択肢に上がってくるかもしれません。そこで狭小住宅と中古住宅を比較しながらそれぞれの定義とメリット・デメリットについてご紹介してきました。ホームスタイリングでは横浜と湘南で注文住宅の設計を行っており、狭小住宅の設計実績もあります。狭小住宅だけではなく、ガレージハウスやスキップフロアの家、中庭のある家などさまざまなジャンルの家を手掛けていますので、気になる方はぜひお気軽にご相談ください。