風通しの良い家にするために|必要な要素と注意点

マイホームを購入する際、立地や間取り、日当たりなどさまざまな条件をクリアするような家づくりをしたいですよね。理想の家にするためにパッと思いつく条件ではないかもしれませんが、「風通し」も実際の生活に大きく関わってきます。風通しが悪いと湿気がこもってしまったり洗濯物が乾きにくかったりとデメリットにつながってしまいます。最近ではコロナ対策もあり、風通しの良い家にしたいという人も増えてきています。

 

◼ 風通しの良さの重要性

家を建てる際、風通しの悪い家よりは風通しの良い家の方がいいようなイメージはあるかもしれませんが、具体的にどのような面で重要なのかは把握できていない人も多いはず。風通しの良さを家づくりの最優先条件にあげる方は少ないかもしれませんが、実は家の快適性に大きく関わってきます。心地よい自然の風を楽しむことができたり、冷暖房に頼らず過ごせる家にできたり。快適に過ごせるだけではなく省エネにもつながります。

 

風通しが悪い家では、結露やカビ、ダニの発生といった問題が起こることも。結露は家の中の温度と外気温の差で水蒸気が窓に発生することであり、放置していると家具や建具が傷んでくることも。カビやダニは増殖すると住んでいる人の健康状態や住環境に影響を与えるためできるだけ発生しないようにしたいものです。日本は湿度の高い国なので、特に湿気の多い季節や湿度が高い地域では注意が必要です。

 

◼ 風通しの良い家に必要な要素

自然の風を心地よく感じられる家を作るためには、空気の流れ道を考える必要があります。風通しの良い家に必要な要素として、窓からの風と換気扇による風の循環があげられます。窓からの自然な風はもちろん、空気の流れを考慮して換気扇を活用することでより快適性を高めることができます。

 

・窓からの風

夏は冷房、冬は暖房を付けることが多いかもしれませんが、ずっと窓を締め切ったままにしていると、家の中の空気がどんよりしていると感じたことはありませんか?窓を閉め切ったまま掃除機をかけたり料理を作ったりすると、家の中には汚れた空気や匂いが溜まってしまいます。あまりにひどいと健康状態にも影響を及ぼすことがあるため注意が必要です。どんよりした空気を一掃するために、そして常に心地よい空気を漂わせるためには、窓からの風を取り込むことが大切です。

 

家の中で空気を循環させるためには、風の通り道を考えなければなりません。窓や通風口となる部分を向かい合わせで設置すると、風が真っ直ぐ吹き抜けてくれます。風の通り道の途中に高さのある家具を置いたり仕切りを設置したりすると流れが止まってしまうため、家の中の空気がどんよりしていると感じたときは家具の配置を変えてみると良いかもしれません。これから家づくりをする場合は、窓の位置だけではなく家具の高さや配置にも注意しながら間取りを考えるようにしましょう。

 

・換気扇による風の循環

自然の空気を取り入れるためには窓の数を増やしたり大きな窓を設置すると効果的ですが、構造にもかかわってくるため理想通りに窓を設置できないこともあるはず。隣の家との距離が近くて窓の配置が限られることもあるかもしれません。そんなときには換気扇を活用して空気の循環を促すこともポイントです。換気扇はキッチンやトイレ、お風呂などの水回りの湿気を逃がすためにあるイメージですが、家の中の空気の循環にも役立てることができます。

 

◼ 風通しの良い家にするために

家に設置する窓の数を増やしたり大きな窓を設置したりすると風通しの良い家にしやすいですが、換気扇を活用することもポイントだということをご紹介してきました。その他にも風通しの良い家にするためのポイントがあります。

 

・季節や地域ごとの風向きを知る

四季の中でも春や秋は自然の風が心地よい季節ですよね。その理由は気温の問題だけではなく、風の吹き方が異なるため感じ方が異なるのです。冬は北風が寒いイメージが強いと思いますが、その他の季節はあたたかい南風が一般的。このように季節によって風向きは異なり、地域によっても山風や海風など風の種類が異なります。季節や地域ごとの風向きを知った上で、自然に家の中を風が通り抜けていくような設計をすることが大切です。

 

・風の流れを知る

風通しの良い家にするためには、風がどのように流れるのかを知っておくことがおすすめ。冷暖房効率を考えるときに、暖かい空気は部屋の上部に溜まるということを聞いたことがある人も多いはず。逆に冷房による冷たい風は下の方に溜まりやすく、冬の冷気は1階に溜まりやすいことも同じ理由です。風の流れを知った上で、家での過ごし方やライフスタイルに合わせて家づくりを進めるようにしましょう。

 

・窓の役割

暖かい空気は家の上部に、冷たい空気は低い位置に溜まることをご紹介しました。そのため夏場を考えると、低い位置から高い位置に風が抜けていくような流れを作ると自然に空気が循環します。それぞれの部屋に2箇所窓があると空気が抜けやすくなりますが、1つしか窓が設置できないときは部屋の出入口のドアを開けておくことで家全体での風通しを良くすることができます。

 

・間取りの工夫

風通しを良くするためには、吹き抜けがあると1階から2階に空気が流れやすく、風通しの良い家になりやすいといえます。吹き抜けを採用しなかったとしてもスケルトン階段にすると踏み込み板がないため風が通りやすくなります。風通し以外にも間取りの条件はあると思いますが、バランスを取りながら条件を選んでいくようにしましょう。

 

◼ 風通しを考慮する際の注意点

一度風通しの良さが気になってくると、ついそこばかりに気を取られて家づくりを進めてしまいがちです。しかし風通しだけを重視していると、他の重要なところを見落としてしまうことも。風通しを考慮する際の注意点をご紹介します。

 

・壁や収納にも注目

風通しを良くするために窓の数を増やすと、必然的に壁が少なくなってしまいますよね。家具は壁側に設置することが多いため、壁が少なくなると家具置き場や収納に困ってしまう…ということも。かといって窓の前に家具を置くと窓の意味がなくなってしまいます。窓だけではなく、壁や家具の置き場、収納のためのスペースも忘れずに確保するようにしましょう。

 

・耐震性を考慮

風通しを良くするためには、窓が多ければ多いほど良いように感じるかもしれませんが、耐震性や耐久性にも考慮が必要です。窓が多すぎたり大きすぎたりすると耐震性や耐久性が低くなってしまいます。万が一の災害時のリスクも考えて設計するようにしましょう。

 

・換気扇の位置

窓によって空気の通り道を作るだけではなく、換気扇を活用すること風通しをより良くすることができます。換気扇を活用したいと思っているときには、設置する位置にも注意が必要です。空気の通り道と関係のない場所に設置しても意味がないため、水回りに設置することはもちろん部屋の高い位置に設置するなどの工夫をするようにしましょう。

 

◼ まとめ

風通しの良い家にするために知っておきたいことをご紹介してきました。家づくりの際、立地や間取り、設備など譲れない条件がたくさんあると思いますが、日当たりや風通しも家での快適性に大きく関わってきます。ホームスタイリングでは、光と風を設計することをコンセプトとして掲げています。さまざまなテイストの家づくり実績がありますので、ぜひ事例をご覧ください。横浜や湘南で注文住宅の設計を検討しており、風通しの良い家にしたいという思いがある方はお気軽にご相談ください。

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